2025年J1リーグ第35節|名古屋 vs ガンバ大阪戦マッチレビュー
マッチレビュー
2025.10.26
うーん。と、唸ってしまうような敗戦でしたね。
チャンスはいくつか作ったものの、決定的なシーンで決めきれず、徐々に中盤を支配されて苦しい展開になってしまいました。下手をすると大量失点していてもおかしくなかったこの試合試合を振り返っていきましょう。
試合概要

明治安田J1リーグ 第34節:横浜FC vs 名古屋グランパス | 試合結果 | 試合 | 名古屋グランパス公式サイト
明治安田J1リーグ 第34節:横浜FC vs 名古屋グランパスのページです。日本の愛知県名古屋市を本拠地とする、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)加盟のプロサッカークラブ「名古屋グランパス」の公式サイトです。
今節はHOMEでガンバ大阪と対戦しました。
- キックオフ日時:2025/10/25 14:03
- 場所:豊田スタジアム
- 天候:雨のち曇り
- 気温:19.2℃
スタメン・控えメンバー

この試合一番の驚きは河面の左ウィング起用。前の試合、途中から左ウィングに入り効果的なクロスを供給していましたが、今シーズン終盤戦にして初のウィング起用は驚きでした。
前の試合でゴールに直結する決定的な仕事をして、その後も安定感を見せてくれたことを評価しての起用でしょう。
また、この試合はU-20W杯出場の森壮一郎もスタメンです。久々のスタメン出場ですね。
試合評価
なぜこの試合は不利な展開になったのか?
この試合、うまくいかなかった要因は大きく以下の2点と見ます。
- ディフェンスラインと中盤の距離感が遠く、こぼれ球を拾えなかったこと。
- ディフェンスと中盤の間にポジションを取る相手を押さえられなかったこと。
それぞれ解説していきます。
ディフェンスラインと中盤の距離感の悪さ
名古屋はこの試合、ミドルブロックを敷く時は4バック、ローブロックを敷く時は5バックにしていました。
そして、5バック(ローブロック)の状態でボールを奪ったとしても後ろに選手が多いので、そこから攻撃に繋げても枚数が足らず、効果的な攻撃をすることが難しい状態です。
つまり、名古屋が試合を優位に進めるためには、4バックでミドルブロックを敷いている際に、中盤でボールをどれだけ奪えるか、若しくは中盤でのこぼれ球をどれだけ拾えるかがポイントとなるのです。
現にこの試合も、ビッグチャンスになったのは、中盤でミドルブロックを敷いているときにボールを奪い、前線にボールをつなげられた時でした。
この試合だけではなく、最近の名古屋の得点パターンはミドルブロックでボールを奪ってからのカウンターの形が多いです。
そして、ミドルブロックでボールを奪う・拾うためには、選手の距離感が近くなければいけません。
相手の前線にボールが入った際、味方の距離間が遠いとプレスが間に合わず剥がされてしまったり、競り合った際にこぼれたボールが相手に渡ってしまう結果になってしまいます。
そうすると、こちらはチャンスを作れず、逆に相手に攻め込まれる形になってしまうのです。
今年の試合では、豊スタでの浦和戦、C大阪戦は中盤の距離感が良く、ボールを奪って良い攻撃に繋げられていました。
ただこの試合は、全体を通してディフェンスラインとボランチ2枚の距離感が遠かったため、なかなかボールを奪えず、攻撃に繋げられる回数も少なくなってしまいました。
また、試合終盤は追いつきたいがために全体がかなり前がかりになってしまい、中盤に大きな穴が生まれていました。その穴を突かれて何度もピンチを迎え、最終的にはロスタイムにゴールを決められてしまいました。
いくつかシーンを切り取って解説します。

このシーンは試合の終盤ですが、名古屋が右サイドから攻めている中でボールを奪われ、相手が中央にボールを展開したシーンです。
この時点で名古屋の選手は、攻撃していた右サイドに寄っており、中央より左に大きなスペースを生み出してしまっています。
この後、降りてきたジェバリにボールを当てられて、名古屋の左サイドに展開され、ピンチを迎えたシーンです。
ここも、無理に人を寄せすぎるのではなく、全体のバランスをとりながら攻撃・ブロックを構築していれば、ピンチにはならなかったと思われます。

続いてはこちらのシーン。
名古屋がボールを奪い、攻撃に出ようと思ったところで相手ディフェンスにボールを奪い返されたシーンですが、その際に、ディフェンスと中盤の間にぽっかりとスペースがあいており、そこには相手の前線3枚が並んでいる状態です。
ここにボールを出されてキープされた時点で、名古屋はローブロックを引くしか選択肢がありません。
そして、名古屋はローブロックを敷いてしまうと、ボールを奪っても後ろが重たくチャンスに繋がらない、繋がる前に相手にボールを奪われてしまうため、相手のボールキープが続いてしまいます。
点を取るために前がかりになるのは良いのですが、あまりにも中盤を開け過ぎてしまうと、一気にカウンターを喰らったり、ボールを保持されてしまうので、チーム全体として押し上げることが必要だったと感じます。
ディフェンスと中盤の間にポジションを取る相手への対応
前項でも書いた通り、ディフェンスと中盤の距離感が悪い中、相手は名古屋のディフェンスラインと中盤の間のスペースに対して、意図的に選手を配置してきました。
特に、ジェバリの動きが顕著だったと思います。明らかに名古屋のディフェンスラインから離れ、スペースにポジションを取るシーンが何度も見られました。
こちらも1つシーンを切り抜いて説明します。

このシーンは名古屋がミドルブロックを敷いているのですが、相手のセンターバック(画面右の中央の選手)がボールを持っている中で、名古屋のディフェンスラインと中盤の間にジェバリが立っている状態です。
この時はジェバリ選手を使わず他の選手を使って展開されたのですが、相手センターバックから直接のジェバリにあてて展開することもできた場面です。
ジェバリはキープもできるし、ボールを捌くこともできる選手。ここでジェバリに当てられていたら名古屋のディフェンスラインは下がらざるを得ず、ローブロックを敷くことになったと思います。
ここは、ディフェンスラインを押し上げてコンパクトにするか、それが難しいならディフェンスラインの誰か1人(この場合は中央にある藤井)が、中盤に落ちるジェバリについていく必要があったと思われます。
前半は武田のビックセーブもあり、何とかしないでいましたが、後半になっても大きな修正はされず、逆に前がかりになったことでより多くのスペースを与えてしまったがゆえの敗戦でした。
鹿島戦も似たような展開だったので悔しい限りです。武田が何度も決定的なシュートを防いでくれていたので0-2で収まりましたが、それが無ければ鹿島戦同様4失点していてもおかしくなかったと思います。
スタッツ
| 項目 |
名古屋 |
G大阪 |
| 得点 |
0 |
2 |
| シュート |
9 |
18 |
| 枠内シュート |
6 |
13 |
| ゴール期待値 |
0.88 |
1.53 |
| ボール支配率 |
33% |
67% |
| ボール奪取位置 |
30.1m |
37.3m |
| 走行距離 |
108.623km |
107.17km |
| スプリント |
121 |
115 |
| パス(成功率) |
281(71%) |
592(86%) |
| フリーキック |
17 |
12 |
| コーナーキック |
4 |
8 |
| PK |
0 |
0 |
スタッツを見ると、全体的に押し込まれていたことがわかります。特に気になるのがボール奪取位置の低さ。高い位置で奪おうとするも剥がされてしまい、相手に繋がれて全体的に重心を落としてしまったことが見て取れます。
その結果、相手にシュートも多く打たれ、ゴール期待値でも差をつけられている状態です。
選手評価
[16] 武田 洋平
評価:★★★★☆(4)
ビッグセーブ4発。武田の活躍がなければ大量失点していてもおかしくない試合だった。
[3] 佐藤 瑶大
評価:★★★☆☆(3)
守備ラインが低くなりがちなところを押し上げようとする素振りは見えたが改善には至らず。
攻撃面ではビルドアップの際に相手のプレスに苦しめられるも無難な対応。
[13] 藤井 晴也
評価:★★☆☆☆(2)
コンディションの問題なのか、細かなミスが多かった。得意のビルドアップ、ロングフィードも見られない試合だった。試合展開の問題もあるが、相手に完全に警戒されており、プレスをかけられて自由にやらせてもらえなかった。
[70] 原 輝綺
評価:★★☆☆☆(2)
前半は比較的安定していたが、後半からトラップミスが目立つようになった。相手のドリブルにに対してもっとタイトに守備して欲しかった。
[6] 河面 旺成
評価:★★★☆☆(3)
前半の、左深い位置からのクロスは期待しか感じない。チャンスクリエイト率100%だったのでは?
ただ、慣れない左ウィングで細かなミスと守備面での危なっかしさがあったのも事実。後半はなかなか上がる機会も作れずそのまま交代。
[7] 和泉 竜司
評価:★★☆☆☆(2)
あまり決定的な場面に絡めず。全体的にボールに絡めていなかった。
[14] 森島 司
評価:★★☆☆☆(2)
押し込まれる展開の中で、これまで多く見られていた後ろでボールを持って安定させる動きがほぼなかった。守備面ではドリブルで剥がされる場面も多く不安定なパフォーマンスだった。
[15] 稲垣 祥
評価:★★☆☆☆(2)
この試合展開では、持ち前のデュエルを活かせる場面は少ない。また、前線まで上がるシーンも少なかった。相手のドリブルとパス、ポジションチェンジを交えた相手の崩しに対応しきれない場面も多かった。
[44] 森 壮一郎
評価:★★☆☆☆(2)
勢いを持ってプレスに行く姿勢は良いが、やや無茶ともとれるプレスからスペースを開けてピンチを招くシーンもちらほら。周りとの連動がうまくできていない印象。
[11] 山岸 祐也
評価:★★☆☆☆(2)
序盤は全線で起点になっていたが、相手がボールをキープするようになってからはほぼ起点になれず。決定的な仕事もほぼなかった。
[22] 木村 勇大
評価:★★★☆☆(3)
全線で体を張るプレーは安定感がある。流れが悪い中でファールをもらってチームを助けられるのが個人としてもチームとしても強みになる。
前半最初の決定機を決めていれば、、試合の流れは変わっていたとは思うが、難易度は高いシーンではあった。
[2] 野上 結貴
評価:★★★☆☆(3)
恐らく守備タスクを与えられて途中から入ったものの、守備面での安定にはつながらなかった。ただ、前がかりになるチーム全体の穴を埋めるのは不可能なのでそこまでを求めるのは酷か。
意外性のあるループが決まってれば最高だった。
[26] 加藤 玄
評価:★★★☆☆(3)
終始バランスをとる動きだった。
相手のスペースを消す動きは見せていたものの決定的なゲームチェンジには至らず。
[33] 菊地 泰智
評価:★★☆☆☆(2)
なかなかボールに絡めなかった。ある程度のスペースがないと苦しい。自分でスペースを作るだす動きや、ボールを引き出す動きが明確に見えると一気に良くなる。
[18] 永井 謙佑
評価:★★★☆☆(3)
前からのプレス、裏を狙う動きは何度か見せた。また、危険なシーンで自ら戻り穴を埋めるシーンも何度か。全体的にパフォーマンスは悪くなかったが、決定的な場面にまでは至らなかった。
[77] キャスパー ユンカー
評価:★★★☆☆(3)
今季初?とも言えるシャドーでのプレーは可能性を感じた、ただ、プレー時間が短く決定的な仕事には至らなかった。もう少しこのポジションでのプレーを見てみたい。
監督 長谷川 健太
評価:★★☆☆☆(2)
前半の悪い流れを後半もそのまま変えられず、試合を苦しくした。相手がスペースを作りそこを突いてくるのは明確だったので、スペースを消すためのアドバイスや選手交代をして欲しかった。
特に気になったのは縦の距離感の悪さ。ここが学びしてしまうと、相手前線の選手に好き勝手にやられてしまう。監督してやれることはなかったか?
おわりに
幸いにも降格を争う横浜FCも負けたため勝ち点差は縮まらず8のまま。次の試合勝てば残留確定となります。
相手は優勝争い真っ最中の柏です。次も苦しい試合展開になることが予想されますが、、何とか勝って残留を決めてもらいたいところです。次の試合に向けて、我々サポーターも一丸となって応援していきましょう!!!