最近、キャスパーユンカー選手の移籍報道がいくつかのメディアから報道されています。

いちグランパスファンとしては、2023年から名古屋に在籍し、特に加入初年度にはリーグ戦16ゴールを挙げたユンカー選手がもし移籍してしまうとなると、寂しい限りですが、、今回の報道について考察していきたいと思います😢
はじめに
まず、選手にとって、一番自身の能力を活かせる環境に身を置くことは当然のことであり、その方法として移籍という選択肢を取ることは何も悪いことではないと考えています。
また、移籍は選手自身が決めることなので、最終的にユンカー選手が決断した内容に嘴を挟むつもりは全くありません。
ただ、チームを応援するサポーターとしては、仮にユンカー選手が移籍してしまうことで、今後のチーム編成はどうなるのか…?代わりの選手は来るのだろうか…?もし、チームに残ってくれるのであれば今後どんな活躍をしてくれるのだろうか…?といった妄想をすることは悪いことではないと思います。
そんな観点で記事を書いていきますのでご容赦下さい。
グランパス移籍後のユンカー選手のスタッツは?
まずは、ユンカー選手が名古屋に来てからのスタッツ・成績をまとめてみます。
※ 2025年シーズンは、33節セレッソ大阪戦までの数値です。
※ J1リーグ戦のみの結果です。
シーズン | 出場数 | 出場時間 | 先発 | 途中出場 | 得点数 | アシスト数 | シュート数 | 決定率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023年 | 33 | 2590 | 31 | 2 | 16 | 3 | 80 | 20.0% |
2024年 | 19 | 755 | 7 | 12 | 4 | 1 | 20 | 20.0% |
2025年 | 13 | 411 | 5 | 8 | 1 | 0 | 20 | 5.0% |
数字だけを見ると、年々成績を落としているのが実情です。
特に2024年、2025年は怪我に悩まされたこともあり、なかなか出場機会を得られておらず、得点数が伸びていない状況です。
さらに今シーズンはシュートの決定率が低い点が気になりますね。
昨シーズンは出場時間が短く得点数は伸びていないものの、シュートに対してのゴール数(=決定率)は、最盛期の2023年と同じ20%と高い水準を維持していましたが、今シーズンは現時点で5%と大きく落としています。
厳しい言い方になりますが、数値だけを見ると、クラブが放出を考えてもおかしくない成績だと見て取れます💦
考察
長谷川監督との相性が悪い?
答えはNOだと考えます。
理由は明確で、ユンカー選手が名古屋で最も活躍していた2023年にチームを指揮していたのも長谷川監督だからです。長谷川監督が思い描く戦術との相性が悪いとは考えづらいです。
ただ、長谷川監督の特徴として、現有戦力を見極めた上で現実的な戦術を取ることに長けた監督だと捉えています。そして、今シーズン開始前に怪我で出遅れたことで、現在の戦術にうまくフィットしていない感は否めません。
どんな監督も、シーズン開始前のキャンプまでに、今シーズンの戦い方や戦術を決めて選手に落とし込みを行い、シーズン中に細かな補正を繰り返してチームを組み立てていきます。今季の頭に発生した怪我による離脱で、監督もユンカー選手抜きでの戦術を改めて練り直した上でシーズンをスタートさせたと思います。
その後、4月ごろには復帰したものの、シーズンの真っ最中で戦い方を大きく変えることも難しいので、現在もなかなかフィットしきれていないのが実情ではないでしょうか。
ユンカー選手の強みを活かせる戦術とは?
ユンカー選手の強みは、大きく以下の3つだと考えます。
- 足元でボールを収めて捌く技術
- ゴール前でスペースを作るための動き
- ゴールを決め切るシュートセンス
ただ、この3つを活かすためには質の良いパスを出せるパサーが必要です。
余談ですが、浦和時代には当時のチームメイトだった江坂選手(現岡山)と同時に途中出場で登場し、江坂選手のパスからユンカー選手が決めるといったシーンを生み出していました。
また、パスの出し手が良質なラストパスを出すためにはある程度のスペースも必要で、出し手のためのスペースを作り出すための戦術が必要です。
簡単に言うと、後ろからのビルドアップを前提とした、相手を崩すような戦術であれば、ユンカー選手の良さは活きると思います。
今シーズンのグランパスも、シーズン当初はビルドアップチャレンジを行っていましたが、それはユンカー選手がいる前提での戦術だったのでは?と予測できますが、現在では山岸選手や木村選手といった”高さ”と”キープ力”が備わったことで、必ずしもビルドアップを前提とした戦い方にはなっていません。
どちらかというと、前線からプレスをかけて高い位置でボールを奪い即時攻め切る戦い方や、山岸選手や木村選手の高さ、キープ力を活かして前線に長いボールを送る戦い方が多くなっている状況です。
現在の戦術では、どうしてもユンカー選手の良さは活かしづらいと考えます。
ユンカー選手は移籍するべきなのか?
結論、現在から状況が変わらないのであれば、移籍するべきだと筆者は考えます。
それは、もう不要だから出ていけ!という考え方ではなく、ユンカー選手という一人の優秀なフットボールプレイヤーの活躍を願っての考えです。
筆者は2023年の活躍もこの目で見てきました。だからこそ、これだけ良い選手が埋もれてしまうリスクを抱えるのは勿体無いと思うからです。
しかし、そう簡単には決められないのも事実だと思いますし、来季ユンカー選手の良さを活かせる環境が整っている可能性も排除できません。
もし、来季も名古屋でプレイしてくれることが決まるのであれば、以下の2点が活躍の前提になってくるのでは?と思います。
- チームがユンカー選手を活かせる戦術(ビルドアップ中心の戦術等)を取ること
- ユンカー選手を活かせるパサーがいること
ただ、チームの状況は毎年変化しますし、これから先の未来どうなっているかは誰にもわかりません。また、来季絶対に怪我をしないという保証もどこにもありません。
でももし、今の時点でユンカー選手をより活かせる戦術・選手を有しているチームからのオファーがあれば、移籍を決断するべきではないか?と筆者は考えます。
終わりに
色々勝手なことばかり書いてしまいましたが、ひとつだけ言えることは、今後ユンカー選手がどのような決断をしたとしても、我々サポーターはあなたの味方ですし、応援し続けます。
全ての選手は、いずれチームから去ることになります。移籍、引退と理由はさまざまです。監督やスタッフとして戻ってきたとしても、未来永劫クラブに在籍し続けることは難しいです。これは、どんなクラブ・選手であっても同じことです。
でも、これまでに選手がチームに残してくれた功績が消えることはありません。
ユンカー選手についても、2023年の活躍は忘れられないですし、2024年FC東京戦でのハットトリックは今でも目に焼き付いています。
もしJリーグの他チームに移籍することになれば、我々サポーターはブーイングをするかもしれませんが、それはユンカー選手を相手にすることの怖さを知っているからです。
いちサポータとして、今後のユンカー選手の活躍に期待の文章を残し、このコラムを閉じたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。